ショパンのフォルツァンド①~スフォルツァンドとの違い

フォルツァンドとリンフォルツァンドの違い1

以前、「スフォルツァンドとリンフォルツァンドの違い」というブログを書きました。2024.9.2のブログですが、ご興味ある方は「サイトマップ」のページから過去のブログ一覧を見ることができますので、ぜひご覧ください。今回は「フォルツァンド」について、特にショパンの「フォルツァンド」についてお話したいと思います。

 

画像はショパンのワルツ第1番 「華麗なる大円舞曲」Op.18の一部分です。最後の盛り上がるところです。上がエキエル版、下がパデレフスキ版ですが、丸をつけているところに注目していただくと、エキエル版はフォルツァンド(fz)で、パデレフスキ版ではスフォルツァンド(sf)になっているのがわかります。ショパンの自筆譜を見ると、フォルツァンド(fz) になっていました。

 

標準音楽辞典によると、フォルツァンドは「強調された」、スフォルツァンドは「突然強いアクセントをつけて」という意味です。

 

ところで、ショパンはフォルツァンドを多用しました。そのことについては、エキエル版「原資料に関する解説」にも詳しく書かれています。たとえば、Op.10-2(エチュードです)。ショパンがfzの数を減らしたことや、fzをアクセントに置き換えたこと、彫版工がfz(フォルツァンド)をf(フォルテ)として植字してしまったこと(しかも同様の誤りがいくつもあったこと)など、たくさんのエピソードが書かれています。「フォルテ」は強弱記号で、「強く」「大きく」という意味です。

 

そしてエキエル版にはこうも書かれていました。「ショパンが何箇所かのfzをアクセントに置き換えるなど、慎重に指示記号を選択していたことがわかる。」

 

ショパンが「fz(フォルツァンド)をf(フォルテ)になっていた」印刷物を見たときのショックは大きかったでしょう。ですので、そういった事情を知ると、単純な音楽用語の意味で片付けられない一面もあったのかなと思います。

 

長くなりますので、また次回に続けたいと思います。