ピアノは「アコースティック・ピアノ」と「電子ピアノ」があります。ピアノの購入を考えるときは、まず最初にどちらにするかを決めましょう。
「アコースティック・ピアノ」はいわゆる「本物のピアノ」で、アップライトピアノとグランドピアノがあります。「電子ピアノ」は文字通り、コンセントを差し込み、電源を入れて演奏するピアノです。ピアノを弾く時間帯やご近所への音漏れ、予算などが選ぶポイントになるでしょう。
「グランドピアノ」のグランドとは「豪華な」という意味で、その名の通り、美しい音色が特徴です。奥行きの長さが長くなればなるほど、価格が高くなります。重量も大きさによって異なります。
音大進学を考えておられる方は、アップライトピアノとは構造が違うため、グランドピアノの購入をおすすめします。お部屋が狭い場合は、「コンパクトグランドピアノ」を検討されるのもよいでしょう。
音が大きいのと、重量が重いため、防音や床の補強が必要になります。
アップライトピアノとは「直立ピアノ」という意味で、その名のとおり、縦に弦が配されています。狭い部屋でも置けるように開発されたものです。高さが高いほど価格が高くなります。
グランドピアノとの大きな違いはペダルです。真ん中のペダルは踏み込んだまま、小さな音で練習できるようになっていますが、マンションにお住まいの方、ご近所への音漏れを気にする方は、「電子ピアノ」や「サイレントピアノ」をおすすめします。
「電子ピアノ」はヤマハ、カワイ、ローランド、カシオなどから出ています。
最近の電子ピアノは最高峰のピアノのサウンドが搭載されています。カワイは「シゲルカワイ」、ヤマハはCFXやベーゼンドルファー、カシオはベヒシュタインといった、アコースティックピアノではなかなか手が届かないような高級ピアノ(1000万~2000万円級のピアノ)のサウンドで演奏することができます。ヘッドホンから聞こえる音にうっとりします♡
最近では、グランドピアノの形をした電子ピアノもあります。上の画像はローランドのGP-9シリーズ。もはや電子ピアノとは思えない外観です。
鍵盤も高級機種になると、アコースティックピアノと同じ木製鍵盤で、木目があって、かなり本格的です。
メーカーによって、鍵盤のタッチや重さはかなり異なります。お子様の場合は、音感教育も兼ねて、本格的なサウンドを重視されるとよいと思います。大人の方は、年齢を重ねることを考慮して、タッチが軽いものや木製鍵盤を選んだほうがよいのではないかと思います。
「サイレントピアノ」とは、アコースティック・ピアノに「消音ユニット」を取り付けたものです。見た目は本物のピアノですが、デメリットもありますので説明しておきます。
「サイレントピアノ」は、音が鳴らないようにするために「シャンクストッパー」で打弦を止めてピアノが鳴らないようにしています。そのため、消音中は消音ユニットの「録音された音」を聴くことになります。録音の音源は電子ピアノのほうが良いこともありますので、サウンドにこだわる方は注意が必要です。
また、消音機能を使わないときも、シャンクストッパーがあるため、どうしてもアコースティックピアノとタッチが変わります。そのため、せっかく消音ユニットをつけたのに、結局、再工事して取り外したという人もいます。中古ピアノとして手放すときも、電子ピアノ同様、ほとんど価格がつきません。
「防音」と「消音」、何が違うのでしょうか。まず、「消音」とは先にお話したように、ピアノの音自体を消すことで、ヘッドフォンで聴けるようにすることです。つまり、電子ピアノやサイレントピアノがそうです。外への音漏れはほとんどしませんが、鍵盤を叩く音やペダルを踏む音が家族に聞こえる場合はあります。
「防音」とは、ピアノの音を出しつつ、外に音が漏れないないようにすることです。お部屋全体を防音工事する、防音室を作る、あるいは部分的な防音(マットやカーテンなど)をすることです。部分的な防音は完全な防音にはならないため、外に漏れます。防音室も完全な防音ではないのと、実際に演奏したときに聞こえる音色に満足できるかどうか(壁に音が吸われるため音響に満足できるか)、確認しましょう。工事費用は高額です。