ショパンの作品には「遺作」が多い。というのは以前にもお話しました。ワルツも遺作が多いです。写真はワルツ第17番(遺作)変ホ長調の楽譜の一部です。パデレフスキ版は第17番ですが、ヘンレ版は第19番で「kk番号」がつけられています。「kk」とはクリスティナ・コビラィンスカの名前のイニシャルです。ポーランドの音楽学者であり、ワルシャワのフレデリック・ショパン博物館の元キュレーターでした。
第17番はワルツですが、パデレフスキ版の解説によると「レントラーの特性を持っている」曲です。標準音楽辞典によると、レントラーとは「オーストリア、バイエルン、ベーメン地方で行われた舞踏。ゆるやかな舞曲で、ゆっくりしたワルツに近い。」と書かれています。この辞典のすごいところは、名前の由来まで書かれていることです。レントラーの語源は、「田舎風の踊り」からきているとのこと。ですので、この曲は、洗練されたパリの社交界ではなく、のどかな「田舎」で踊られることを意識しながら演奏するのがよいかと思います。
「トリオ」は古典派以降のメヌエットその他の舞曲の中間部をさします。ショパンは古典音楽を愛していたので、古典風に「トリオ」を好んで使ったといわれています。

