こちらの方は誰でしょう?「四季」で有名なヴィヴァルディ(1678-1741)です。時代としては、バッハ(1685-1750)と同じ時代、バロック時代に生きました。バッハはドイツ、ヴィヴァルディはイタリアの作曲家でした。
ヴィヴァルディの「四季」はヴァイオリン協奏曲集「和声と創意の試み(作品8)」の 第1から第4曲の「春」「夏」「秋」「冬」の総称です。それより前に「調和の霊感(作品3)」という作品を作りました。
一方、若き日のバッハはワイマール公に仕えていたのですが、エルンスト公子がオランダ留学から帰ってきて「調和の霊感」を鍵盤楽器用に編曲するよう命じました。ヴィヴァルディは当時、大ブームを起こしていたのです。きっと、バッハはその仕事をとても楽しみながらされたのだろうなと想像します。今のようにインターネットもレコードすらなかった時代のこと、ヴィヴァルディに会ってみたい!と思ったかもしれません。そう、二人は会ったことはなかったのですが、そういった関係があるのです。
その経験をいかし、バッハはのちに「ブランデンブルク協奏曲」や「ヴァイオリン協奏曲」を作ることになります。イタリア音楽から受けた刺激は大きかったに違いありません。
いろんな想像をしながら、あらためて作品を聴くと、また違った楽しみ方ができると思います。