先月ご入会された生徒様は、会社を定年退職後、初めてピアノを習った方です。4ケ月ほど、別の先生に習っておられたのですが、ご事情あって私の教室に来られました。4ケ月間、一度も音符の読み方を習わなかったので、楽譜が読めるようになりたいのと、ストリートピアノを演奏したい、とレッスンのご希望を話しておられました。
そして、レッスンでグランドピアノを弾かれると、ところどころ音が鳴りません。(先に言っておきます。ピアノの故障ではないです。)
なぜ、鳴らないのでしょうか。それは「本物のピアノ(アコースティックピアノ)」と「卓上キーボード」の違いに原因があります。
その生徒様は普段、ご自宅では61鍵の卓上キーボードで練習されています。卓上キーボードは鍵盤が浅く、すぐにセンサーが反応して音が出ますので、小さな指のお子様でも楽しむことができます。
それに対し、アコースティックピアノには「エスケープメントレベル」というものがあります。
「エスケープメントレベル」とは、鍵盤をゆっくり下げると、カクンとするところです。ハンマーが弦を叩く瞬間にカクンとします。アコースティックピアノは、ハンマーが弦を叩かないと音が出ないため、その生徒様は鍵盤には触れるものの、そこまで打鍵していないのです。上の写真はピアノのハンマーです。
最近の電子ピアノは、ハンマーアクションを再現しているものがあるので、そういった機種だときちんと打鍵する練習ができます。これから電子ピアノを購入される方は、そういったことも意識して検討されるといいかなと思います。もちろん、本物のピアノを置ける環境にある方は、ぜひ、アコースティックピアノをご検討くださいね!