ルノワール(1841-1919)はフランスの印象派の画家です。2つの絵はともにルノワールの作品ですが、私が注目するのはピアノと椅子です。
先日、トムソン椅子のことをお話しましたが、この絵を見ると、この時代は高さ調整ができない、台所やリビングにあるような普段使いの椅子(背もたれ椅子や丸椅子)に座っていたようです。ピアノ用の専用の椅子はなかったのかもしれません。楽しそうにピアノを弾いている二人の少女たちが描かれていますね。
電気がない時代はピアノに燭台が付いていました。夜はかなり暗かったと思いますが、貴族のお宅は大きなシャンデリアがあったと思われるので、この写真より明るいかと思います。燭台は動かすことができます。日本でもヤマハが日本楽器だった時代、明治・大正時代は燭台付きピアノが作られていました。たまに、アンティーク感を出すために後付けで燭台を付けたピアノも販売されています。そういったピアノは、練習用ではなく、お店の家具またはミニコンサートで利用されているようです。