ブルグミュラー没後150年~パリで活躍した作曲家

ブルグミュラー

ピアノ学習者に大人気の「ブルグミュラー」25の練習曲。今年はブルグミュラー没後150年にあたる年です。実はブルグミュラーはドイツ生まれですが、パリで活躍した作曲家だということをご存知でしょうか。

 

ブルグミュラーは26歳のときにパリに移住し、数多くのサロン音楽を作曲しました。パリではピアノ講師もしていたとか。昔の日本のピアノ教育で、「バイエル終了後はブルグミュラー」というのは、いわゆるドイツの教則本のイメージだったのかもしれませんが、実はブルグミュラーは、パリでウケる曲を作っていたのです。おしゃれなタイトルもそれを考えると納得しますね。

 

1曲めは「すなおな心」。楽譜によっては「あどけなさ」という和訳になっているものもあります。

和訳はともかく、速度設定が楽譜によって違うので、楽譜購入時はピアノの先生にご相談されることをおすすめします。

 

テンポ126〜138程度と記載している楽譜がありますが、ウィーン原典版では152です。ブルグミュラーを練習するレベルにしては、かなり速いテンポです。「エチュード(練習曲)」と名付けられているので、仕方ないかもしれませんが、美しく魅力的なこの曲を、そんなに速く弾くのはもったいない気がします。

 

と、ここで、よく言われるのは、当時のメトロノームの性能です。ベートーヴェンもそうですが、記載されているメトロノーム記号のまま演奏すると、どうもしっくりこない、という問題です。当時のメトロノームの精度が今ほどよくなくて、メトロノームによって固体差があり、速度が異なることもあったとか。

 

このブログを読んでくださっている方は、すでにピアノの先生について習っておられる方もおられると思います。ピアノの先生によってテンポの解釈は変わると思いますが、私は、芸術である限り、必ずしも指定の速度で演奏する必要はなく、それよりも大切な「譜読み(音やリズム)」や「タイトルから感じ取れるメロディの美しさを表現すること」が大切だと考えています。

 

ただ、テンポが不安定では「練習曲」になりません。指定の速度でなくても、ある一定のテンポを保つことは気を付けるべき点だと思います。