ショパンが語る「テンポ・ルバート」とは

ゆうこサロンのブログ~ショパン

前回、テンポについてお話しましたが、今回はショパンが語る「テンポ・ルバート」についてお話したいと思います。

「テンポ・ルバート」とは「自由なテンポで演奏する」ことです。リストが書いたショパンについての本があるのですが、そのなかの文をご紹介します。この本はとても参考になるので、ショパンを勉強している方にとてもおすすめです。

 

『最初のうちは、彼自身が書き添えた〈テンポ・ルバート〉という語によって示されていた。しかし、後期の作品ではこの指示記号はもはや見られなくなった。ショパンは、然るべき理解を得た演奏家であれば自ずとこの不規則な波動に行き着くはずだと考えたのである。だが、彼の演奏を聴いたことのない人々にとっては、この奏法の秘訣にたどり着くのは容易なことではないはずである。』

 

ショパンは弟子に教えるときに、メトロノームをよく使用したとか。テンポは一定であるべきと語っています。そのなかでのテンポ・ルバートなのです。

 

リストは弟子に、「ショパンの言うテンポ・ルバートとは、この風にそよぐ木とその枝葉のようなものだ。木の幹は決して動かず、その上で枝葉は自由に風にそよいでいる。」と語りました。木の幹がテンポであり、その上で自由なテンポに揺らすというのが、ショパンのいう「テンポ・ルバート」であるといえるでしょう。