ミスタッチを減らすには?

ミスタッチをなくす方法

「家ではもっと上手に弾けるんです・・・。」

ピアノレッスンで、多くの生徒さんがおっしゃる言葉です。そういうとき、私が思うのは、「わかります、私もそうです!」です(笑)。

 

ピアノレッスンでは、自宅と違うピアノを弾き、しかも、先生が隣にいる、というシチュエーションなので、否が応でも緊張します。オンラインレッスンでも、画面に映る自分を見て、知らず知らずに緊張することもあるでしょう。ご自宅で練習していたときより、レッスンでミスタッチが増えてしまうのは「緊張によるもの」が大きいです。

 

そんなとき、講師は何を見ているかというと、「本当に間違っているかどうか」です。どういう意味かというと、楽譜の読み間違いで音を間違えているのか、緊張からミスタッチしているのか、です。これは大きな違いです。音符の読み間違いは、すぐに直らないことが多いので、自宅で再度、ゆっくり復習していただくことになります。

 

緊張からミスタッチが多いときは、家で練習しているときよりも、速く弾いていることが多いです。全体的に速く弾いてしまっている、プラス、細かい音符が続くところは、更に速く弾きがちです。そうなると、指が回らなくなり、ミスタッチにつながります。そういう場合は、「イン・テンポ」で演奏することに注意します。逆に、お子様のレッスンでありがちですが、難しくて弾けない箇所だけ急に遅くなることもあります。ブルグミュラーの「アラベスク」はその例で、左手が難しいところで急に遅くなってしまうパターンです。これはミスタッチではなく、左手の練習を重ねることで速く弾けるようになります。

 

「イン・テンポ」とは「正しい速さで」という意味で、演奏速度を一定に持続する事をいいます。オーケストラは、団体で演奏するため、指揮者がいて、テンポを揃えますが、ソロ・ピアノの場合は自分で速さを決めるため、テンポが安定しません。「自由にゆらぎのある演奏にしたい」というときも、テンポがあってこその「テンポ・ルバート(柔軟にテンポを変える)」です。(これについては、また次回、お話します。)

 

自宅での練習では、難しい箇所をまずは弾けるテンポでゆっくり練習し、イン・テンポで弾けるようにしましょう。メトロノームも効果的です。今はアプリがありますので、ダウンロードすると便利です。私もヤマハのアプリを入れています!楽しくレッスンしましょう。