クレッシェンドとディミヌエンドの違い

クレッシェンド

「デクレッシェンド」と「ディミヌエンド」の違い、わかるでしょうか?どちらも「だんだん弱く」という意味ですが、何か違うのでしょうか。

まず、「デクレッシェンド」は「クレッシェンド(だんだん強く)」の反対語です。de+crecendo 、「クレッシェンドの反対」という語源で、「だんだん弱く」という意味です。では、ディミヌエンドはどうでしょうか?diは「強調」を意味する言葉で、di+minuere で、minimum 「最小」が語源です。 つまり、「最小の音量にする」となります。

言葉というものは時代によってニュアンスが変わってくるもので、「ディミヌエンド」には「衰える」という意味が含まれるようになりました。単に「音量を下げる(弱くする)」だけでなく、「少しずつ遅くする」という意味を込めて記載されるようになったのです。たとえば、シューベルトは「デクレッシェンド」と「ディミヌエンド」を使い分けていて、その2つが「異なる意味を持つ」と解釈していたことがうかがわれます。特にシューベルトは「歌曲王」と呼ばれるように、ピアノに対しても、歌のように奏でることを求めていたように思います。

フランスの作曲家セヴラックは「シューマンへの祈り」でdim. poco a poco(少しずつ弱く、ゆっくり) としたあとに、a tempo(もとのテンポで)と書いています。やはり、ディミヌエンドは「少しずつ弱く、ゆっくりと」という意味で使われたと解釈できます。