暗譜(あんぷ)とは楽譜を見ないで演奏することです。暗譜については賛否両論、いろんな考え方がありますが、そもそも必要なのでしょうか。オーケストラでは奏者は楽譜を見て演奏しています。指揮者も楽譜を見て指揮しています。かの有名なカラヤンは暗譜で指揮することで有名でしたが、その彼も、翌日の曲と間違って振ったことがあったとか。
ピアノではコンクールや音大入試では暗譜が求められますが、そうではない場合、特に大人の方は、趣味のために、ピアノを楽しむために、レッスンされる方が多いので、暗譜が苦痛なのに「何がなんでも暗譜」というのでは、楽しめないような気がします。ただ、なかには「1曲でもいいから、暗譜して弾ける曲を作りたい」と、暗譜に憧れている方もいらっしゃいます。それを目標にされている方は、時間がかかっても仕上げることで夢の実現になりますので、それに向けてレッスンするのも励みになるかと思います。
楽譜には作曲家の思いがたくさん書き込まれています。PPPPという、すごい強弱記号が書かれていたり、「思考の端末で」「うぬぼれずに」「頭を開いて」等、謎のメッセージが書かれていたり・・。暗譜ありきではなく、楽譜を読む「スコアリーディング」の楽しみもピアノレッスンならでは。私は、特に大人ピアノでは、作曲家の思いを感じながら、ピアノの音色を楽しんでいただけるようなレッスンをこころがけています。