モーツァルトのピアノ協奏曲

前回、「錯視のない音楽」ということを書きましたが、今回は、モーツァルトが音楽は「見る」ものではなく「きくこと、考えること、感じること」だと書いている手紙をご紹介したいと思います。

1778年、モーツァルトはパーティに招かれ、食事の前に、フォークラー氏という男性がモーツァルトの作った協奏曲を演奏したことを手紙に書いています。その演奏がとても速く、ときには旋律まで変えられたので、「とても我慢できる代物ではなかった」というのですが、「きき手たちは音楽とピアノ演奏を「見た」と言うよりほかにいいようがない。その間彼ら(きき手たち)は、きくことも、考えることも、感じることも、ほとんどできません。それが一体きれいでしょうか?」と書きました。

モーツァルトが「きれい」にこだわったことは、240年経った今も、変わらないものではないかな、と不思議な感覚になります。動画はモーツァルトの「ピアノ協奏曲K.246」で、モーツァルトが書いた手紙のなかでフォークラー氏が演奏した曲です。どれだけ速く弾いたのかはわかりませんが・・。動画の演奏はマレイ・ペライアです。